Fumiko Kikuchi

 

菊池史子は日本大学芸術学部とドイツ・ブラウンシュヴァイク芸術大学でファインアートを学びました。彼女の映像作品は、観察と聴取、個人的な会話と現場リサーチを基本としています。政治的、経済的、文化的条件がどのように都市を形成し、それらが直接的または間接的にどのように場所や人々に影響を与えるのかを追求しています。彼女の作品は、言語の役割、様々な形でのストーリーテリング、記憶のアイデンティティ形成の瞬間をテーマにしています。

 

Fumiko Kikuchi studied fine arts at Nihon University in Tokyo and Braunschweig University of Art. Observing and listening, personal conversations and on-site research are fundamental to her video works. She pursues questions about which political, economic and cultural conditions shape a city and how these directly or indirectly affect the place and the people. Her work addresses the use of language, various forms of storytelling and the identity-forming moment of memories.

 

Photocredits: Esra Oezen


I know where you are right now / 私はあなたが今どこにいるか知っている。

 

2018 Animation

 

私の祖父は亡くなる 2 年前からとにかく自分の未来を語っていた。 その未来とは " 死後 " であり彼の言うところの " 天国 " のことなのだけれど、 私には " 天国 " が何なのかはよくわからない。ともあれ、近い将来を充分に想 像することができれば、( それがたとえそれが " 死 " であっても ) 不安が少し 安らぐのだと思う。

祖父が亡くなったとき、私にははっきりと彼がどこに行ったのかを想像することができた。それは誰もいない家の食卓テーブルに置かれた「ちょっとそ こまで行ってくる。」と書かれた書き置きをみつけて、「あ、そこか」とぼんやりと想像できる距離に近かった。